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18歳未満と年齢確認。水商売の採用でやってはいけないことを風営法と労働基準法で確認する

求人に「18歳以上」と書いても、面接に来た人が本当に18歳以上かを確かめるのは店です。風営法は、18歳未満を働かせたときに「年齢を知らなかった」ことを理由に処罰を免れることを認めていません。この記事では、18歳未満と20歳未満について、採用の段階で店が押さえることを条文で確認します。

編集部(水商売経営学)公開 2026年9月23日更新 2026年9月24日10分で読めます
宵の店内の事務スペースで、本人確認書類の封筒とクリップボードを前にペンを持つ手元

この記事の要点

  • 風営法は、風俗営業の店で18歳未満に接待をさせること、午後10時から午前6時までに18歳未満を客に接する業務につけることを禁止している。後者は接待をしない飲食店にも準用される(主食を出す店などは除く)
  • 違反は1年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金(併科あり)。年齢を知らなかったことを理由に処罰を免れることはできず、例外は過失がない場合だけ。面接と初日の勤務前の本人確認がそのまま店を守る
  • 雇用なら労働基準法も重なる。18歳未満の午後10時から午前5時の労働と、酒席に侍する業務は禁止。18歳・19歳は採用できるが、営業所で酒類を提供してはいけない

面接に来た人が、履歴書の生年月日どおりの年齢とは限りません。18歳だと言っていた人が、あとで17歳だと分かる。これは店の側から見ると事故ですが、法律は店が気づかなかったことを大目に見てくれません。

この記事では、18歳未満と20歳未満の人について、採用の段階で店が押さえることを、風営法と労働基準法の条文で確認します。

18歳未満について、風営法が禁止していること

風営法第22条第1項は、風俗営業を営む者の禁止行為を並べています。年齢に関わるのは次の4つです。

三 営業所で、十八歳未満の者に客の接待をさせること。 四 営業所で午後十時から翌日の午前六時までの時間において十八歳未満の者を客に接する業務に従事させること。 五 十八歳未満の者を営業所に客として立ち入らせること(第二条第一項第五号の営業に係る営業所にあつては、午後十時から翌日の午前六時までの時間において客として立ち入らせること。)。 六 営業所で二十歳未満の者に酒類又はたばこを提供すること。

風営法 第22条第1項第3号〜第6号

キャバクラやラウンジのような風俗営業の店では、18歳未満に接待をさせることは時間を問わず禁止です。

風俗営業の許可を受けていない飲食店にも、この規定の一部が準用されます(法第32条第3項)。接待をさせる第3号は準用されていませんが、そもそも接待をする営業は風俗営業の許可が要ります。第4号の「午後10時から翌日午前6時までに18歳未満を客に接する業務につけること」と、第6号の20歳未満への酒類の提供の禁止は準用されます。第4号については、営業の常態として主食となる食事を出す飲食店などが施行規則第102条で除かれています。深夜酒類の届出で営業するバーやガールズバー、コンカフェで、18歳未満を夜のシフトに入れることはできません。

店ごとの整理は次のとおりです。

店の種類18歳未満の接待午後10時〜午前6時に客に接する業務20歳未満への酒類の提供
風俗営業の店(キャバクラ、ラウンジなど)禁止禁止禁止
接待をしない飲食店(届出のバー、ガールズバーなど)接待自体ができない営業禁止禁止

警察庁の解釈運用基準は、「客に接する業務」の例として、接待のほか、客を席に案内すること、飲食物を客席に運ぶこと、代金を受け取ることなどを挙げています。キャストとして席につく仕事だけでなく、ホールの仕事も対象です。

「年齢を知らなかった」では処罰を免れない

罰則は風営法第51条にあります。第22条第1項第3号から第6号に違反すると、1年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金、またはその両方です。第32条第3項で準用する場合も同じです。

そのうえで、同条第2項がこう定めています。

第二十二条第一項第三号若しくは第四号(第三十一条の二十三及び第三十二条第三項において準用する場合を含む。)、(中略)に掲げる行為をした者は、当該十八歳未満の者の年齢を知らないことを理由として、前項の規定による処罰を免れることができない。ただし、過失のないときは、この限りでない。

風営法 第51条第2項(抜粋)

本人の申告を信じた、というだけでは足りません。店を守るのは、法令で定められた書類で生年月日を確かめ、その記録を残しておくことです。 風営法第36条の2は、接待飲食等営業の店と深夜に酒類を提供する飲食店に、客に接する業務につかせようとする人の生年月日と国籍を、定められた書類で確認し、記録を残すことを義務づけています。

確認の書類と記録の残し方は体入も従業者名簿が必要に、体入の日に確認を済ませる順番は体入初日の受け入れに書きました。体入でも、その日に客に接する業務につくなら、確認は勤務の前です。

違反があれば、行為者だけでなく店を営む法人や個人事業主にも罰金が科されます(法第57条)。許可の取消しや営業停止の処分の対象にもなります。

雇用なら、労働基準法の年齢の線も重なる

キャストやスタッフを雇用契約で働かせているなら、労働基準法の年少者の規定もかかります。

規定内容
労働基準法第56条満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終わるまで、原則として使用できない
労働基準法第57条18歳未満を使うときは、年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付ける
労働基準法第61条18歳未満を午後10時から午前5時までの間に使用してはならない(交替制の16歳以上の男性などの例外あり)
年少者労働基準規則第8条第44号18歳未満を「酒席に侍する業務」につかせてはならない

風営法の線だけを見ると、接待をしない飲食店なら午後10時までは18歳未満がホールに出られるように読めます。雇用の場合は、年少者労働基準規則が禁止する酒席に侍する業務にあたらないかも見なければなりません。酒を飲んでいる客の席について相手をする仕事は、時間帯にかかわらずこの規定との関係が問題になります。仕事の中身がどこまで含まれるかは、具体的に説明して管轄の労働基準監督署か社会保険労務士に確認してください。

15歳未満については、雇用かどうかを問わず、酒席に侍する行為を業務としてさせることが児童福祉法第34条第1項第5号で禁止されています。

キャストを業務委託で扱っている店では、労働基準法がそのまま当てはまるかは契約の実態で変わります。ただし、風営法の禁止は契約の形にかかわらず営業所での行為にかかります。

18歳と19歳は採用できるが、酒は出せない

民法第4条は、18歳を成年としています。18歳・19歳の人は未成年者ではないので、風営法や労働基準法の年少者の規定はかからず、契約に親の同意も要りません。

ただし、風営法第22条第1項第6号は、営業所で20歳未満の人に酒類やたばこを提供することを禁止しています。これは客に対してだけでなく、働いている人にも当てはまります。警察庁の基準は、「提供」には販売や贈与だけでなく、グラスや灰皿を使わせて飲用や喫煙の用に供する状態に置くことも含まれるとしています。

19歳のキャストが客から「一杯どうぞ」と勧められたときに、店がグラスに酒を注いで出せば、この提供にあたります。ドリンクの売上の仕組みがある店ほど、20歳未満の人のドリンクをどう扱うかを最初に決めて、本人と内勤の両方に伝えておく必要があります。

求人に書ける年齢の条件

求人に年齢の条件を書くときは、労働施策総合推進法の決まりがあります。第9条は、雇用で募集・採用するときに、年齢にかかわりなく均等な機会を与えることを求めています。例外は施行規則第1条の3に限定して並べられています。

そのひとつが、法令で特定の年齢の人の就業が禁止・制限されている業務で、その年齢以外の人を募集する場合です(第1項第2号)。風営法や労働基準法で18歳未満が就けない仕事なら、「18歳以上」と書くことはこの例外にあたります。

一方で、「25歳まで」のような上限は、この例外では説明できません。上限を付けるなら、例外のどれにあたるのかを説明できる必要があります。迷うときはハローワークか社会保険労務士に確認してください。

面接から初日までにやること

年齢の確認は、採用の流れのどこでやるかを決めておくと抜けません。キャストの写真を撮って求人やSNSに載せるときの年齢確認と同意は、キャストの写真を載せるときの同意で確認できます。

段階やること
応募受付生年月日を聞き、18歳未満・20歳未満かを把握する
面接の案内初日に持ってくる本人確認の書類を伝える
初日の勤務前法令で定められた書類で生年月日と国籍を確認し、記録と名簿を作る
シフト作成20歳未満の人のドリンクの扱い、18歳未満がいる場合の時間帯と業務を確認する

応募への返信と面接の日程調整は、内勤の手が空いた時間に回されがちです。ここを自動で進めるツールもあります。日程調整を仕組みにしておくと、面接と初日の確認に時間を割きやすくなります。

今日できる確認

  • 18歳未満の人が、午後10時以降のシフトに入っていないか
  • 本人の申告だけで年齢を判断していないか。法令で定められた書類で確認し、記録を残しているか
  • 20歳未満の人に、客のドリンクとして酒を出す運用になっていないか
  • 求人に、上限のある年齢条件を書いていないか
  • 雇用で18歳未満を使っているなら、戸籍証明書を備え付けているか

出典

※2026年9月23日に上記資料を確認しました。自分の店の業務や契約の形にどう当てはまるかは、風営法の部分は管轄の警察署か行政書士へ、労働基準法の部分は労働基準監督署か社会保険労務士へ確認してください。

編集部(水商売経営学)

水商売経営学の編集部です。実際に店を回してきた人間と、業界の外から入った編集者で書いています。法律・税務の記事は公的資料を出典として明示します。制度の説明は出典を示して公開し、許可・届出の要否や条文の解釈など「うちの店の場合はどうか」に踏み込む記事は、行政書士・税理士の確認が取れるまで公開しません。取材した店の話は、聞いた範囲のことだけを書きます。個別の判断は店の状況によって変わるため、迷う表現は確認したうえで進めてください。

この記事は2026年9月24日に更新しました。

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