
この記事の要点
- Googleが削除するのはコンテンツポリシーに違反した口コミだけ。内容に不満がある、気に入らないという理由での報告はしないよう求めており、事業者と利用者の紛争には関与しない
- 同意なく個人の氏名を載せた口コミは、ポリシーの個人情報の項目にあたる。キャストの名前が書かれた口コミは報告を検討できる。報告の結果はクチコミ管理ツールで確認でき、不服なら1回限りの再審査請求ができる
- スタッフに一定数の口コミを集めさせる、スタッフ名を書いてもらうよう頼ませることは、Googleのポリシーで禁止されている。販売を促す立場の従業員が書く口コミは、ステマ規制で店自身の表示とみなされうる
営業が終わってスマートフォンを見たら、Googleマップに星1つの口コミがついていた。書かれていることの半分は事実と違うし、キャストの名前まで出ている。すぐに消したくなりますが、Googleが削除するかどうかには決まった基準があります。
この記事では、Googleビジネスプロフィールの口コミについて、返信の仕組み、削除を依頼できる口コミ、店がやってはいけない集め方を、Googleの公式ヘルプと消費者庁の資料で確認します。
口コミへの返信は、オーナー確認をした店だけができる
口コミに返信するには、ビジネスプロフィールのオーナー確認が必要です。オーナー確認の進め方は水商売のMEO入門にまとめています。
Googleのヘルプによると、返信は投稿の前に、Googleのコンテンツポリシーに合っているかを審査されます。審査は通常10分以内ですが、最長で30日ほどかかることもあります。承認されると、返信は口コミの下に「企業からの返信」として表示され、返信を書いた人の個人名は出ません。
返信が公開されると、口コミを書いた人に通知が届きます。書いた人は、返信を読んだあとでも口コミを変更できます。
削除を依頼できるのは、ポリシーに違反した口コミだけ
Googleは、どの口コミでも報告はできるとしたうえで、削除の対象になるのはポリシーに違反している口コミだけだと説明しています。
内容に不満がある、気に入らないという理由だけで、クチコミを報告することはしないでください。Google は、事業者とユーザー間の紛争には関与しません。
Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィール上の不適切なクチコミを報告する」
低評価であることや、店の言い分と食い違うことは、それだけでは削除の理由になりません。 報告を考えるのは、口コミの中身がポリシーのどこかにあたるときです。
水商売の店で報告を検討できる口コミ
Googleのコンテンツポリシーのうち、店に関係しやすいものを挙げます。
| ポリシーの項目 | 口コミの例 |
|---|---|
| 個人情報 | 本人の同意なく、キャストやスタッフの氏名を書いている |
| 虚偽のエンゲージメント | 実際に店を利用した体験にもとづいていない |
| 利益相反 | 競合店の関係者が書いたとみられる |
| ハラスメント | 特定の人への脅しや、本人の意に反して性的な対象として扱う内容 |
| 不適切なコンテンツ | 犯罪行為についての根拠のない主張 |
ポリシーは、個人情報について、本人の同意なく投稿された他者の個人情報を含むコンテンツを禁止していて、例として氏名や、写真・動画に写った顔を挙げています。キャストの名前が本人の同意なく書かれた口コミは、この項目で報告を検討できます。
否定的な口コミを使った恐喝の標的になっている場合は、口コミの報告とは別に、インシデントとして報告する手順がヘルプで案内されています。
報告の手順と、結果の確認
報告は、ビジネスプロフィールの口コミの一覧から行います。
- ビジネスプロフィールで口コミを開く
- 報告したい口コミの横にある報告のボタンを選ぶ
- 報告の理由を選んで送信する
Googleのヘルプによると、評価には通常数日かかります。報告の状況は「クチコミ管理ツール」で確認できます。表示されるステータスは、判定待ち、審査完了(ポリシー違反なし)などです。ポリシー違反なしと判断された口コミには、1回限りの再審査請求を送れます。
再審査は1回しかないので、最初の報告で理由を正しく選ぶことが大切です。どの項目にあたるかを、上の表で確かめてから送ってください。
店がやってはいけない口コミの集め方
削除とは逆に、口コミを増やす側にも決まりがあります。Googleのポリシーは、販売者が次のことをするのを禁止しています。
- 口コミの投稿、否定的な口コミの修正や削除と引き換えに、割引や無料のサービスなどを出す
- 否定的な口コミを書かせないようにする、肯定的な口コミだけを選んで頼む
- その場で評価や口コミを書くよう求める、特定の内容を書くよう頼む
- スタッフに、一定数の口コミを集めるよう求める
- スタッフに、スタッフを特定する内容(名前など)を含む口コミを集めるよう求める
最後の2つは、水商売の店でそのまま起きやすい運用です。キャストに「今月は口コミを何件」と目標を出す、指名客に自分の名前を入れて書いてもらうよう頼ませる。どちらもポリシーの禁止事項にあたります。特典の禁止については水商売のMEO入門でも触れています。
ポリシーは、インセンティブを出したり内容に影響を与えたりせずに、実際の体験にもとづく口コミを頼むことは認めています。会計のときに投稿先を案内する、というやり方はこちらにあたります。
スタッフの口コミは、ステマ規制にもかかる
2023年10月1日から、広告であることを隠した広告(いわゆるステルスマーケティング)は景品表示法の違反になりました。消費者庁は、規制の対象はSNSの投稿やレビューの投稿なども含むとしています。
消費者庁の運用基準は、事業者の従業員が書いた表示が事業者自身の表示にあたる場合を示しています。
商品又は役務の販売を促進することが必要とされる地位や立場にある者(例えば、販売や開発に係る役員、管理職、担当チームの一員等)が、当該商品又は役務の販売を促進するための表示(中略)を行う場合(他の者に指示をして表示を行わせる場合を含む。)
消費者庁「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準(令和5年3月28日)第2の1(1)イ(ア)(抜粋)
店長や内勤が客のふりをして口コミを書く、店がキャストに書かせる。こうした口コミは、Googleのポリシーの利益相反にあたるうえに、店自身の表示として景品表示法の問題にもなりえます。規制の対象になるのは、依頼を受けて書いた人ではなく、広告主である店の側です。
低評価への返信で気をつけること
返信は口コミを書いた人だけでなく、これから店を探す人も読みます。返信もGoogleの審査を通るので、ポリシーに反する内容は公開されません。
- キャストやスタッフの名前、客の来店日時など、個人を特定できることを書かない
- 事実と違う点は、感情を交えずに店の側の事実だけを書く
- 店として直すことがあるなら、何を直すかを書く
- 相手を責める言葉、推測で相手を特定するような書き方をしない
「そのような事実はありません」だけの返信は、読む人には店の言い分しか伝わりません。書かれた内容のうち、店として受け止める部分と、事実として違う部分を分けて書くと、読む人が判断しやすくなります。
今日できる確認
- 口コミに返信できる状態(オーナー確認済み)になっているか
- キャストの名前が本人の同意なく書かれた口コミがないか。あれば報告を検討したか
- キャストやスタッフに、口コミの件数や名前入りの口コミを求める運用になっていないか
- 口コミと引き換えの特典を出していないか
- 過去の返信に、個人名や来店日時を書いていないか
出典
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ユーザーからのクチコミを管理する」
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィール上の不適切なクチコミを報告する」
- Google マップ ユーザー投稿コンテンツ ポリシー「禁止および制限されているコンテンツ」
- 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」
- 消費者庁「「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準」(PDF)
※2026年9月23日に上記資料を確認しました。Googleのポリシーと画面の表示は変わることがあります。削除されるかどうかはGoogleの審査で決まるため、この記事は削除を保証するものではありません。




